インタビューNo.29

みんなの働き方

置かれた場所で、花咲かす


日本を飛び出し、留学を経て中国で就職・結婚・出産を経験し、7年前に日本に帰国した髙橋理恵子さん。現在は、福岡を拠点に子育てをしながらフリーランスで働く彼女に、グローバルな視点をもった働き方についてお話を伺いました。

 

経歴を教えてください。

地元は愛媛県で、進学で関西の大学に進み、卒業後は銀行系のクレジットカード会社に総合職として入社しました。販売促進部に配属され、マーケティングや広告、販促などの基礎を勉強して3年間頑張りましたが、体調を崩し退職しました。

もともと国際的な仕事に憧れがあり、新しい道をもう一回探し直そうと思っていた矢先に、周囲の友人から中国留学を勧められました。当時、私は中国に興味があり、旅行も何度か行き、中国語も勉強していました。心身ともに疲れていたこともあり、リフレッシュも兼ねて中国留学を決意しました。

留学後、そのまま中国で職も探しました。現地の人材コンサルタントから「広報は興味ある?」の一言がきっかけで、日系のPR会社の現地法人に就職しました。そこで3年働きましたが、結婚を機に退職し、第一子を出産して専業主婦になりました。当時、一人っ子政策(中国にて1979年から2014年まで原則一組の夫婦につき子どもは一人までとする政策)実施中だったため、第二子出産のタイミングで日本に帰国しました。

 

 

帰国後も専業主婦だったのでしょうか?

日本に帰っても暫くは専業主婦をしていました。

専業主婦歴は、トータル10年ほどです。第二子の子育てがひと段落して、働きたいと思っていた時に、福岡女子大学が「再就職支援」として行っているプログラム(下記参照)を知り、受講した後、フリーランスとして広報の仕事を始めました。現在は2社と業務委託を結び、完全在宅という働き方です。

 

女性のためのウェルカムバック支援プログラム|リカレント教育|女性リーダーシップセンター|公立大学法人 福岡女子大学
文部科学省の採択を受けた社会人女性のための「高度人材養成のための社会人学び直しプログラム」ワークショップや実習、フィールドリサーチを通じ、実践的に学んでいきます。

 

小さい頃の夢は?

母が超教育ママだったので、スポーツよりも勉強に意識を向けさせられ、それに従って過ごす幼少期でした。

そのおかげもあり、勉強習慣の土台ができ、文章を書くのが好きで、本もたくさん読み、学術的な方面で生きていくのかなと思っていました。

母が英語教師で、自宅では海外のニュースが英語で流れていました。
海外に親しむ環境を母が整えてくれたおかげもあり、海外で仕事をする憧れみたいなものはずっとありました。

 

 

広報の仕事内容とは?

広報は、ステークホルダーと呼ばれる企業や組織に関わる様々な人たちが良好な関係を構築できるよう、コミュニケーションを取り繋げていく仕事だと思っています。

具体的にはSNSを使って消費者に様々な情報を発信したり、消費者の声や想いを拾い企業活動に活かしたりします。また、企業が発信するプレスリリースをメディアに届ける一方、メデイアが必要としている情報も提供し、一方通行でない双方向のコミュニケーションを行っています。

 

広報の魅力とは?

企業や組織の想いやメッセージを正しく伝えて、それが世の中に広がり、社会がより良く変わっていくことがとてもやりがいがあると思っています。

広告だけだと、一方通行になりがちなメッセージが、広報PRが関わることで、消費者と一緒に新しい未来や社会を作っていくことができます。

生活者の深いところに共感し関わる人たちと一緒に未来を作っていく過程がとても楽しく、少しでも社会に貢献できていると感じられるので、そこが広報の魅力の一つだと思っています。

 

 

完全在宅のフリーランスと会社員としての働き方の違いは?

移動の時間が短縮できる反面、メリハリが難しくて。

特に去年は1番それに悩んでいました。どんどん仕事が増えて、時間が上手く回らず、バランスが分からなくなった時期がありました。夜中に仕事して、なんで今これしているんだろうってなるんです。

今年は、仕事の時間を決めて、子どもと向き合い、たくさん手料理を作ってあげたいと思っています。

あとは、健康面でいうと座る時間が長くなるので、足が浮腫むんです。動いてないので大変なんですよ、体の巡りが悪くなって。

 

今後の働き方は?

今の仕事が好きなので、広報やPRを活かせる業種で、ひとつの企業に属して働くというよりも、色んな企業と関わっていく働き方が向いているのかなと思います。

以前、中国にいたので、日本とアジアの色んな国々の広報に携わりたいとも思っています。日本企業の広報のお助けをしたり、海外企業が日本で広報する時のお助けをしたり、そういう仕事が出来たら嬉しいなと。

それができれば、小さい頃の国際的な仕事に就きたいという夢も果たせるので。ものすごく遠回りしていますが、繋がっているかなって思っています。

 

地元は愛媛県ですが、なぜ福岡を拠点としたのですか?

当時住んでいた中国の上海と愛媛県の間で、空港の便が多い都市を地図上で探していたら、真ん中が福岡でした。

福岡は、食べ物も美味しいし、気候も暖かくていいなと思っています。

人もごみごみしてないと思っていたのですが、最近、どんどん人口が増えて、なんかミニ上海っぽい感覚です。上海も人がすごく多かったので。

 

 

 

外国人の夫との価値観の違いで驚いたことは?

夫が中国人で、考え方や価値観が違って戸惑うことが多いです。

1番は、お金に関しての価値観です。
地域性もありますが、上海の人ってすごく投資感覚があるんです。お金は貯金ではなく、必ずどこかに投資して運用するんです。そういう感覚が私にはなかったので、「何で投資しようと思わないの?」とよく夫から言われます。

上海時代のママたちも、不動産投資や株価が日常会話だったんです。

お金は稼ぐだけだと間に合わない時代だから、増やさないといけなくて、夫の価値観のおかげで、私も金融リテラシー(お金・経済に関する正しい知識や判断力)を学ぶ大切さに気づいたので今はありがたいと思っています。

 

 

上海のママたちとの日常会話が、投資や株価だなんて、お話をうかがって私自身も驚きました。他国の文化に触れたことで、自分の価値観が浮き彫りになったお話は、新鮮であり、とても興味深いものでした。働き方もグローバルで、今後の活躍もますます楽しみです。

あなたは、どんな価値観の下、どこで働いて、どのように生きていきたいですか?

どこにいようとも、あなたの能力が発揮でき、楽しいと思える働き方は人生を豊かにすると私は思っています。パソコンひとつで、世界中どこでも働ける時代だからこそ、今一度自分の働き方を見つめ直してはいかがでしょうか?

 

 

この記事を書いた人
Kumi

私らしく働くってなんだろうを追求中!福岡で働く現代の女性たちを取材し発信していきます!

Instagramをチェック
みんなの働き方
スポンサーリンク
シェアする
Instagramをチェック
私らしい働き方をみつけよう
タイトルとURLをコピーしました