インタビューNo.33

みんなの働き方

自分を見つけた医学


仕事は生活の糧であればいいのか?それとも日々の生活の一部として楽しみたいのか?かつて前者だった考え方から後者として働き方を捉えるようになった山田ともえさんが今回の主役だ。いまのあなたの働き方や生き方と照らし合わせながら、ぜひ読み進めてほしい。

山田ともえさんInstagramはこちらから

 

現在、中医学療法師として活躍している山田さん。中国医学(中医学)とは、古代より病気の治療や予防を目的とした中国の伝統医学であり、日本では漢方薬、鍼灸などが一般的に知られている。山田さんの仕事内容について伺った。

「今はセミナーと、経絡の整体ですね。中国医学協会に所属しているので、協会が主催する講座の講師とともにテキスト作りや、中国医学検定の問題も作成しています。また、企業から職場の循環を整えてほしいとの依頼を受けて改善マネジメントもしています」

中国医学協会はこちらから

 

 

山田さんは中医学に出会い、人生が一変したという。

「中医学に出会ったきっかけは、SNSでした。当時、メンタル不良で闘病生活を数年送っていました。心も身体も病んでいるから、ほとんど寝たきりで、自宅で携帯ばかり見ている日々でした。

(イメージ図)

 

そんな時、友人がある方の投稿をシェアしていました。それが後に私の師匠となる中医師の今中健二先生の投稿だったんです。

 

SNSを通じて今中先生と交流を深めていき、体調が優れない私に先生は中医学に基づくアドバイスをしてくれました。当時の私は西洋医学を信じていたので、中医学は怪しい、薬なしで改善するなど無理だろうと思っていました。

 

ただ、その時は今中先生が喜ぶならやってみてもいいかな……という軽い気持ちでアドバイス通りに実践してみました。

 

すると実践してから1ヵ月で、ほぼ寝たきりだったのが動けるようになったんです

 

 

具体的にはどんなアドバイスだったのか?

「今中先生は、『糖分と水分の摂りすぎだからそれを控えて、焼き芋やお蕎麦を食べてみて』とアドバイスしてくれました。メンタル不良だった時の私の食事は、朝昼晩ココアでした。それも砂糖を小さじ8杯くらい入れて。

 

それしか身体が受け付けなかったし、食べることも面倒でした。でも、焼き芋とお蕎麦だったら食べられそうだったし、これが良いというのなら試してみるかと。水分も控えるようにして。

 

当時は、睡眠薬も精神安定剤も全部飲んでいました。睡眠薬って飲みすぎると動けなくなるんですよね。『人って眠くなれば寝るから、眠くないのなら起きとけばいいよ』とも先生に言われたので、薬を飲まずに起きておこうと思いました。

(イメージ図)

 

そんな感じで少しずつ薬の量が減り、毎朝、ラジオ体操もできるようになりました。最終的には4ヵ月で薬に一切頼らず生活できるようになりました

 

 

そんな山田さんの学生時代について聞いてみた。

「基本的に親の敷いたレールに乗って、親の言うことを聞いている感じでした。いかに効率よく目的を達成できるかを考えていましたね

 

高校入試も大学入試も、私自身の目的はないんです。将来こうなりたいと思って勉強したわけじゃなくて、親が喜ぶ学校に入ることが目的になっていました

 

自分というのは多分なかったというか、消し去っていたんだと思います

 

 

山田さんは大学卒業後、パソコン教室の講師や大学病院に在籍している医師の秘書業務を経験する。結婚、出産後は、配偶者の仕事の手伝いをする傍ら、福祉施設の事務や介護職員として働く。しかし、妊娠中に親族の負債を抱えることとなり、家事・育児・仕事と休む暇もなく働き続け、その頃からメンタル不良に陥っていったという。

そんな時に今中氏のアドバイスを実践し体調が回復した山田さんだったが、彼女が次にとった行動とはなんだったのだろう?

「動けるようになった頃に、神戸にいる今中先生が福岡で中医学の本格的な授業を始めると聞いたので、先生にお礼を言うためだけに受講することを決めたんです。でもこれが中医学にのめりこむきっかけになりました。

 

初級編から学んでいきましたが、中医学って人の身体を通して自然を見る医学だという事がわかったんです。それに今中先生、めちゃくちゃ楽しそうに授業するんですよ。それをみて先生のそのポジションいいなと思って。私、中医学講師になりますって先生に言って、多分最速で中医学療法師の認定を取ったと思います

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今、山田さんにとって働くとは?

「中医学に出会うまでは、お金のためとか、子どもたちに食べさせるためとか、責任を果たすためとか、そういう感覚で仕事をしていました。

 

中医学に出会ってからは、自分の気持ちを大事にしたいと思うようになりました。自分が好きなことを楽しそうにして、毎日を大事に過ごすことで、それが繋がって仕事になっていったという感じです」

(イメージ図)

 

 

現代の日本では、通院や入院をしている精神疾患の患者数は、約420万人(平成29年厚生労働省「患者調査」より)で、これは日本人のおよそ30人に1人の割合と言われている。山田さん自身も経験しているが、精神疾患で苦しんでいる人やそれを支える周りの人たちが日々の中でできることはあるのだろうか?

「精神疾患には薬物療法も有効ではありますが、薬だけに頼っていては改善は難しいかもと気づく方もおられると思います。その時に患者さん自身が本当に改善したいと思うか思わないかが分岐点だと思います。

 

私は、病院や薬を否定しているわけじゃなく、自分の身体を治せるのは自分だから、お薬のメカニズムや役割を知ったうえで、同じことを自分の生活(食事や運動、環境を変えるなど)に取り入れたらいかがでしょうという考え方ですね。

 

私は昔ジャッジマンでした。これはダメ、あれは良いとか。ただ中医学を知って学んでいくと、それが緩くなって、今はやりたいことをやればいいと思えるようになり、すごく生きやすくなりました

 

 

中医学を通して考え方、生き方が変わった山田ともえさん。数年前に闘病していたとは思えないほど、穏やかで落ち着いていた。

人は年を重ね、人生のステージも変化していく。心と身体が変化しているのに、見て見ぬふりをしていると必ずどこかでしわ寄せがくる。

毎日が楽しいですか?
生き生き仕事ができていますか?

いくつになろうと、人は変われる。
日々の生活の一部として、あなたが楽しく生きられる働き方を手に入れよう!

 

この記事を書いた人
Kumi

私らしく働くってなんだろうを追求中!福岡で働く現代の女性たちを取材し発信していきます!

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