故郷の墓じまい実録

暮らしに役立つ情報

近年、墓じまいをする方が増えているそうです。

墓じまいとは、
お墓を撤去後、更地にし、
他の供養
(墓地移転、永代供養『納骨堂・樹木葬など』、散骨、手元供養)に変更することです。

墓じまいの理由は主に
お墓の維持管理が難しいことがあげられます。

私も今年2024年に墓じまいを実行しました。
私の故郷のお墓は、山の斜面を登った先にあります。足腰が強くなければ、お墓までたどり着けません。

今年2024年のお盆に
高齢の父を3人がかりで支えながらお墓参りしたことがきっかけで、今年中に墓じまいをしようと決めました。

この記事で、どんなことがわかるか?
・お墓に詳しくない素人の私でもできるか?
墓じまいの手順と期間
・ネット検索や関連業者に連絡して得た情報とは?
・必要な書類や費用

今から墓じまいをする方の参考になれば嬉しいですし、私自身の墓じまいの記録として残すこともできるので執筆しました。

私はお墓に詳しくないですが、いちから自分でやろうと思いました。

墓じまいを代行するのもひとつの方法ですが、代行費用がかかりますし、代々続いたお墓をしまう大事な行事として捉え、面倒でも、家族を巻き込んででも、自分でしようと思いました。

結果的に、墓じまいを自分でして本当に良かったと思っています。なぜなら、自分のルーツを知ることができ、私自身の死後の対応を考えるきっかけになったからです。

人は必ず死にます。

自分の死後どうしたいかを決めておき、手配まで済ませておけば子孫や親族の負担軽減になります。

死後を考えるベストな時期は人それぞれだと思いますが、親が後期高齢者(75歳以上)に差し掛かる頃だと自分自身の死後も身近に感じれるのでいい時期かなと個人的には思います。

では、墓じまいの手順に沿ってお伝えしていきます。

 

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墓じまいの手順

下記は、墓じまいの手順です。
私は墓じまいを決心して、約3ヵ月で①~⑦までを終わらせることができました。
まずは、ネット検索をして、おおまかな流れを把握したうえで動きはじめました。
いくつか検索すると、だいたいどの情報も手順は同じでした。
①親族と相談
②遺骨の行き先と撤去依頼業者
③改葬許可の申請と発行
④閉眼供養
⑤墓の撤去
⑥納骨式の日時決定と案内
⑦納骨式

 

 

親族と相談

まずは、現在お墓を維持管理している親族(両親や兄弟姉妹)に墓じまいをするかどうか相談します。

墓じまいするなら、遺骨の行き先(墓地移転、永代供養『納骨堂・樹木葬など』、散骨、手元供養)も一緒に話し合うといいと思います。

墓地移転となると、新たにお墓を新調したり、永代供養も種類があるので、どの方法がいいか決めておくと、次の手順に進みやすくなります。また全体の予算も決めておくといいです。

私は両親・兄弟と話し合って予算は100万円以内と決めました。

そして、私の場合は、とにかくお墓の維持管理が難しいと思ったので、霊園やお寺で永代供養してもらえる納骨堂にしようと家族で話し合いました。

お墓を維持管理していない親族にも、後日電話にて墓じまいの意向を伝えました。実質的にお墓を維持管理していなくても、後々のトラブルを避けるため、その他の親族への連絡は必要だと感じました。

 

遺骨の行き先と撤去依頼業者

1)遺骨の行き先について

霊園やお寺にする場合のポイントは、

・自宅から近場、アクセスしやすい所から探す
・ご近所や知人に霊園やお寺の情報を聞いてみる
・お付き合いのある檀家(門徒)のお寺に確認
・予算内に収まるか検討する

私は、納骨堂のある所を2つ候補としてあげました。

A.お寺(門徒の納骨壇)
B.霊園(自宅から近い納骨壇)

どちらも実際に家族と納骨壇を見に行って、ご住職や担当者に話を聞きました。

その時、費用を聞いたり資料ももらいました。
主に確認したのは下記の点です。

・費用(納骨壇購入価格/別途、年間にかかる管理費用)
・納骨壇の場所(屋外内/収納できる骨壺の数と1区画のサイズ)
・供養の頻度
・納骨壇に預ける期間(永年か使用期限があるか)
・お墓撤去の依頼も同時にできるか
ご近所の方や知人が利用している霊園やお寺の情報を事前に聞ければ、メリットやデメリットもわかり、決める時の目安になります。

今回、散骨や手元供養については考えてなかったですが、自分の死後は散骨も視野にいれています。こちらも機会があれば調べてみようと思います。

 

2)撤去依頼業者について
A.お寺(門徒の納骨壇)の特徴
・撤去業者は別途自分達で探す
・納骨壇の1区画のお値段が良心的
・門徒なので安心して預けられる
・納骨壇が屋内
・使用期限なしの永年
B.霊園(自宅から近い納骨壇)の特徴
・撤去業者は提携先あり
・納骨壇の1区画のお値段は相場
・自宅から近い
・納骨壇が屋外
・使用期限あり
最終的にはA.お寺(門徒の納骨壇)にきめました。
決め手は値段と納骨壇が屋内にあることでした。
ただ、撤去業者を別途自分達で探す必要がありました。
撤去業者は、ネット検索しました。
地元の石材店にツテがあるわけではありません。
石材店も何社か見積もりをしようと思ったのですが、いちばん最初に連絡した石材店さんの接客(電話対応やチャット対応)が非常によく、この石材店さんなら任せられると思い、一社だけでしたが見積もりをお願いし、最終的には依頼しました。

 

これは私の憶測ですが、
霊園と提携している石材店に依頼した場合、仲介手数料がかかり、そのぶんお値段も高くなるのかな?と思いました。
ちなみに、お墓撤去費用の相場、とても気になりますよね。
私もめちゃくちゃ気になったので、調べました。

 

お墓撤去の全体の費用は
だいたい20万~50万円かなと思いました。
私が依頼した石材店の見積もりもこの範囲以内でした。
下記は、私が独自に調べた費用の詳細です。
お墓の撤去費
【①お墓の広さ】+【②処分費】+【③立地】+【④管理費】
【15万~36万】+【数万~十数万】+【?】+【数万円】
=20万~50万円
①お墓の広さに関しての相場は
【お墓の広さ】1㎡あたり10万~15万円
【お墓の平均的な広さ】1.5㎡~2.4㎡
よって、だいたい15万円~36万円
②石材残土処分費の相場は
数万円~十数万円かかるようです。
③立地の相場は
はっきりわかりませんでした。
ただ、山の上や重機が入りにくい場所だと人手が必要となり、プラスアルファされる可能性があるようです。私の故郷のお墓も山の上でしたが、重機はギリギリ入れる所でした。
④遺骨管理費の相場は
数万円程度らしいですが、石材店によります。
遺骨管理費とは、撤去時に遺骨を取り出して洗浄・乾燥・合祀(遺骨をまとめる)・納骨をする時の費用になります。こちらは石材店によってするかしないかわからないので、確認した方がいいと思います。ちなみに、ここまでしてくれる石材店がおすすめです!

 

 

改葬許可の申請と発行

ここまで決まると、あとは手続き関係です。
今、お墓がある墓地を管轄している市役所に改葬許可の申請をして許可証は発行してもらいます。

墓じまいする時に、遺骨を取り出し別の場所(霊園やお寺)へ納骨する際に、管轄する市役所発行の「改葬許可証」が必要になります。各都道府県、市区町村で書式は各々ありますが、下記は見本の改葬許可証です。

そして、この改葬許可証を発行してもらうには、1週間程度かかるようです。

今回、私が一番苦労したのが、この許可証を発行するために墓地管理者の署名捺印が必要だったことです。

また、お墓にある遺族の詳細を申請用紙に記載しないといけません。下記は改葬許可申請書の見本です。

この申請を行政書士(司法書士)に依頼することも可能ですが、費用がかかりますし、市役所の担当窓口に尋ねると丁寧に教えてくれるので、自分で記載することをおすすめします。わからないところは「不明」でも問題ないようです。

申請する際に役所の窓口に行けない場合は、宛名記載と切手貼付済(25g以下の定形郵便110円切手)の返信用封筒を同封して郵送することもできます。

役所窓口で申請した場合は、印鑑や身分証明書なども必要かもしれません。また、許可証がでたら再度窓口に行かないといけないので、郵送可能な役所であればそちらをおすすめします。詳細は担当窓口に確認してくださいね。

墓地管理者は霊園やお寺だと特定できますが、今回私の故郷のお墓は共同墓地で管理者が誰かわかりませんでした。田舎の方だと、管理者不明の場合もあるみたいで、市役所に聞いたら、墓地の住所がある自治会員の担当者の署名捺印で大丈夫との事でした。

しかし、全く付き合いがなかったので、連絡をとるのにあれこれとご近所の方に協力してもらい、なんとか署名捺印いただけました。

 

閉眼供養

改葬許可証が出たら、もしくは申請中に閉眼供養をします。
閉眼供養とは、墓前にて故人の魂を抜き取る儀式です。

閉眼供養の様子

私は門徒であるお寺のご住職にお願いしました。
供養自体は10分程度です。その際、ご住職へお布施とお車代をお渡ししました。

お布施(お車代含め)の相場は1万円~3万円ほどのようです。

この金額は、石材店にも確認しました。地元の石材店は、その地域のほとんどの霊園やお寺と繋がりがあったので、いくら包めばよいか具体的に教えてくれて助かりました。

 

墓の撤去

そして、とうとう墓の撤去(遺骨の洗浄乾燥・合祀・納骨)です。

お墓撤去の様子

撤去の工事日は、石材店にお任せしました。
私の故郷のお墓は、山の斜面を登った先にあるので、雨だと滑りやすく危険なため、晴れた日に決行しました。

ただ、私たち家族は立ち会う必要はなく、石材店より工事予定日を聞いただけです。
撤去後に上記のお写真とともに報告がありました。

きれいさっぱり撤去していただきました。
とても感謝しています。

ちなみに、先祖の骨壺は5つありました。
それを石材店にて洗浄乾燥・合祀・納骨していただきました。

納骨壇はスペースが限られているので、骨壺のツボ数も限られます。
事前に、ツボ数も石材店と打合せしていましたので、先祖の遺骨は合祀(遺骨を複数まとめて埋葬)してツボは2つにしてもらいました。

納骨壇と骨壺のサイズ参考図

将来もうひとつ骨壺が入れられるスペースを確保しておきました。
地元の石材店がお寺と懇意にしていたため、遺骨も直接持って行っていただきました。

なにからなにまで本当に良くしてくださり、ありがとうございました。

 

納骨式の日時決定と案内

お寺に遺骨が保管された後に、納骨式の日時をご住職と相談しました。

親族への案内があるので、だいたい2~3週後に納骨式の日時を決めました。

親族への納骨式のご案内はハガキにて郵送しました。

納骨式のご案内ハガキの参考図

納骨式のご案内

(時候の挨拶の参考文章)
・春の花が芽吹き始め、暖かさを感じられる季節になりました。
・いよいよ本格的な夏の到来を感じる今日この頃です。
・秋の訪れを感じる時期となりました。
・寒く冷たい季節となりました。

 皆様お元気でお過ごしでしょうか。さて、かねてより懸案となっておりました、〇〇の(共同)墓地にあります我が家の墓所を墓じまいすることにいたしました。墓じまい後は、門徒である〇〇寺(住所)の納骨壇に改葬いたします。

それに伴い、納骨式を〇月〇日(必要なら時間も記載)に執り行います。本来であれば皆様をお招きして納骨式を執り行う所ではございますが、家族だけで執り行わせて頂きたく考えております。

皆様にはお近くにお立ち寄りの際に、随時お参り頂ければ幸いに存じます。
甚だ勝手で失礼なお願いですが、私たちの意を汲んでいただければ幸いに存じます。

以上、墓じまい及び納骨式のご案内とさせて頂きます。

(結びの挨拶)
・新緑の眩しい季節、みなさまのご多幸を心よりお祈り致します。
・日ごとに暑さのつのる頃、くれぐれも体調にはご留意ください。
・朝夕の冷え込みが激しくなりますので、お風邪など召されぬようご自愛ください。
・寒さが厳しくなってまいります 体調には十分ご留意ください。

納骨式

納骨式はお寺にて執り行いました。

所要時間は30程度でした。
ご住職に納骨壇の前でお経を唱えていただきました。

納骨式のお布施(お車代含め)の相場は3万円~5万円ほどのようです。

 

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まとめ

この記事で、どんなことがわかるか?
のまとめです。

・お墓に詳しくない素人の私でもできるか?
→できました!

墓じまいの手順と期間
→手順
①親族と相談
②遺骨の行き先と撤去依頼業者
③改葬許可の申請と発行
④閉眼供養
⑤墓の撤去
⑥納骨式の日時決定と案内
⑦納骨式
→期間
約3ヵ月

・ネット検索や関連業者に連絡して得た情報とは?
→ネットで、墓じまいの手順や撤去業者、費用の相場を検索
→市役所で必要書類の確認

・必要な書類やかかった費用
→必要な書類は「改葬許可証」
→予算100万円の半分程度で済みました!
(内訳)
・閉眼供養お布施(相場1~3万円)
・納骨壇購入費
・納骨式お布施(相場3~5万円)
・墓撤去費(相場20~50万円)
・案内状郵送費、下見交通費など

墓じまいという行事は、一生に一回あるかないかだと思います。

悔いのないように、ご先祖様や親族の声に耳を傾けるいい時間になりました。

関わってくれた方々に感謝いたします。
これで私の墓じまい実録を終了します。

ここまで読んでいただき、
ありがとうございました。

 

この記事を書いた人
久弥

サイト運営者の久弥です。
このサイトは「私らしい働き方をみつける」ために、働いている女性のリアルな声と、仕事に役立つ情報を発信しています。働き方を見直したい!と思っている方のお役にたてると嬉しいです。

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