GDST~性差集合論~
万象学とは、中国に古くから伝わる学問であり、根本原理(考えや問題を解き明かすための基礎となる事実)は、陰陽論(おんようろん)と五行説(ごぎょうせつ)からきています。陰陽論と五行説の詳細は、また別の機会に案内しますが、簡単に言うと、陰陽論とは世の中は陰と陽で成り立ち、例えば一日は昼(陽)と夜(陰)、人間は男(陽)と女(陰)が存在するといった具合です。五行説は、自然界は「木火土金水(もくかどごんすい)」の五つの要素(気・質)から成り立っているという考えです。
今回のテーマ「GDST(Gender Difference Set theory-ジェンダー ディファレンス セットセオリー)~性差集合論~」は、男女の本能の違いから、より良いチーム運営のコツを紹介しています。万象学は、この陰陽論に基づく男女の考え方や本能の差というものを説いています。
しかし、2000年代を生きる私たちは、この性差(ジェンダー)について、今一度在り方を見直したり、新たな位置づけを構築する時代になってきていると感じています。ジェンダーレス(生物学的な性差を前提とした社会的、文化的性差をなくし、男性らしさ・女性らしさという枠組みにとらわれない生き方ができるよう)な世の中が求められています。
それを踏まえて、全ての男性・女性がそうであるというのではなく、男性の気質・女性の気質を兼ね備えたという観点でみていただきたいと思っています。
男性の気質
男性の気質を兼ね備えた人の特徴は、一人の時は「攻撃本能」をもち、攻撃人になりますが、集団になると、守りの体勢、すなわち「守備本能」となり、守備人にかわります。男性の気質を兼ね備えた人が多いチームは、さほど目標がなくてもコツコツと前進し、チームは大きくも小さくもならず、維持されます。
また、上下意識(上下意識とは、社長-部長-課長-係長-平社員などと役職ごとに縦のラインに沿って従う意識)の社会が運営しやすく、このチームや組織のリーダーは、能力のある人がよいとされています。
女性の気質
女性の気質を兼ね備えた人の特徴は、一人の時は「守備本能」でおとなしいですが、集団になると、突如「攻撃本能」、攻撃人に変身すると言われています。女性の気質を兼ね備えた人が多い集団は、想像もつかない程、騒ぎ出し活発になります。女性気質のグループは絶えず目的を作り、それを目指して前進させるリーダーシップが必要です。目的に向かって活動をしないと、一人減り、二人減りして消滅してしまいます。
また、対等意識(リーダーは一人、他は対等に横一列に並ぶ意識)の社会が運営しやすく、このチームのリーダーは人間性のある人がよいとされています。リーダー以外に副リーダーを作ると、リーダーを中心としたグループと、副リーダーを中心としたグループに分裂してしまいます。
私見
男性らしく・女性らしく、数年前まで当たり前のように言われてきましたし、私自身も「男のくせに、女のくせに」が一般常識のように身に付き、子どもの頃などは何も考えもせず、「男だったらそれくらい我慢しなきゃ」「女だから、おしとやかにしないと」と考えていました。
ですが、性別で何かを判断するのはおかしいなと思い始めたのは両親の言動からでした。私の家庭は、外で働く父親と、家を守る母親という生活スタイルで幼少期を過ごしました。決して裕福ではないため、母親も内職や外でパートとして働いていましたが、父親は家事はほぼしない、母親だけに仕事と家事・育児の負担がのしかかる状況を目の当たりにして、父親に言ったことがあります。「食べた食器くらい下げたら?」と。父親の返事は「それは女(母)の仕事だから」だったのです。ものすごく反発したのを覚えています。一方で、男だからと父親は力仕事や契約事などは率先して行っていましたし、母親も難しいことはわからないと言ってそういった類のものは父親に任せっきりでした。今思えば、両親の間では成り立っていた生活スタイルだったのでしょうが、当時の私は、男社会の方が楽に見え、男に生まれたかったなと思っていました。
男性、女性という性別は、生まれ持ったもので、容易に変えることはできません。内面は女性でも外面が男性の身体であれば、不自然に感じるのも無理はありません。万象学では、生年月日から個人の本質を算出するのですが、その中で陰陽の理論を用いて、男性と女性の気質がどのくらいあるのかみたりもします。あくまでも参考程度ですし、気質という部分でみるため、どちらかの気質が多いからと言って、それが本人の性別に影響するかどうかを決めつけるものではありません。冒頭でも記載したように、陰陽論で男性は陽、女性は陰の気質と位置づけられています。私の本質をみると、陽の気の割合が多いのがわかりました。だからと言って、自分が女性である事に対しての違和感は感じていません。しかし幼少期に感じた男性に生まれたかったなという感覚は、男性の気質が多いことも少しは関係しているかもと思っています。
男性、女性関係なく、一個人として尊重することが大切ですが、本能・気質という部分では、その違いを理解し上手く利用することで長続きし成長できるチーム運営ができれば最高だなと思います。