お墓参りとお墓について
8月といえば、子どもの頃は、楽しい夏休み・夏真っ盛りというイメージでしたが、大人になるにつれて「お盆」というイメージが強くなりました。私の子ども時代は、お盆の時期に両親や親族揃ってお墓参りを欠かさない家系でした。
私の生まれた地域では、お盆は8月13日から15日までです。13日にはお墓参りをしてご先祖様を自宅にお迎えして供養し、15日に再度お墓参りをしてご先祖様をお墓へお送りします。(※お盆期間は地域によって異なります)
私の父親は信仰深く、「お盆の時期は、ご先祖様を早く迎えに行って、遅くお送りすることで、少しでも長くご先祖様を供養したい」という想いから13日は午前中に、15日は夕方にお墓参りをします。ご先祖様は、この世を生きている私たちの背中にぶら下がり、13日に自宅へ帰り、15日にはまた背中にぶら下がりお墓へ戻ります。そんな話を小さい頃から父親に聞かされ、子どもの時は、怖いと思っていました。しかし、大人になるにつれて、いつか自分もおんぶされる側になるのかと思うと、毎年欠かさずお墓参りをしなければという責任感まで生まれてきました。
これは、万象学でいうところの「天庫星(てんくらせい)」という墓守の星が、私の中にあるからかもしれないと思うようにもなりました。この星を持つ人は先祖から選ばれた、先祖の気を受ける宿命を持っていて、家系の行事には積極的に参加したり家のしきたりを学ぶことで、星が生かされ、自分の運気が安定し、生きやすくなります。
皆さんの地域や家系では、お盆はどのように過ごされているでしょうか?
お墓参りが多いこの時期に、自分の家系のお墓について観察し、ご先祖様への感謝と共にこれからを生きる私たちがどう生きていけばいいか、想いを馳せてみませんか?
お墓の場所
日本では、亡くなった人を埋葬するための「お墓」は、許可を得た場所にしか建てることができないと法律で決まっています。
お墓のある場所は、一般的には、霊園やお寺だったりします。田舎に行くと、田んぼの中や山のふもとなどでもみかけます。中には、こんな寂しい場所に…と思う墓地もあり、夜になり月明りしかない場所だと余計に寂しく恐ろしくもあります。しかし、お墓の場所は、先祖代々、その家系の歴史が詰まった場所でもあります。
あなたのご先祖様のお墓は、どのような場所にありますか?
そして、自分もそのお墓に入るという視点で考えると、お墓がより身近に感じられます。
そんなお墓について、万象学では、お墓の位置と方角についても言及しています。
参考までにご覧いただければと思います。
運気が強いお墓
このお墓をお参りする時には、必然的に北を拝むようになります。この南面の墓は、格式の高い陽型の墓(陽墓といいます)になります。北を拝むことによって、先祖の場所に手を合わせていること※になり、最も自然で精神が浄化され、先祖代々の加護が受けやすく家系が長く続く運気の強い墓です。特別の大成功者も出ないかわりに、ひどく没落する人も出ないとされています。
女系・養子運のお墓
南に手を合わせてお参りをするこの墓は、「一代墓」といって、お参りする人が途絶える可能性があるとされています。
本来、男性が継ぐはずだったのに、女性が後を継ぐ家系になりやすく、女系家族の墓であることが多いそうです。そのため、長く続いていても養子運の家系になりやすいとされています。
現実面で強いお墓
西に向かって手を合わせるお墓となり、拝む型の陰型の墓、女性型の墓といわれ、陰墓といいます。陰・陽は同格のため、陰型の墓が悪いというわけではありません。
この墓をもつ家系の人は現実面で強さを発揮すると言われています。経済運・名誉運をもった人が突如でてくることがあるそうです。
しかし、成功者も出る代わりに波乱万丈の生涯を送る人、没落者も出やすいのが特徴となります。
一代限りのお墓
一代限りの墓と言われているそうです。
一代で名を挙げても後が続かないことが多く、いつしか無縁仏になってしまうお墓に西面のものが多いようです。
先祖供養の目的
上の図のように、私たちは多くのご先祖様の気を受けて、この世に存在しています。
お墓参りをして、ご先祖様を供養することで、私たち自身の気も高まります。
お墓参りは、ご先祖様とのコミュニケーションであり、ご先祖様を敬い感謝することは、人間としてごく自然なことだと万象学では説いています。
ここ数年、世界的に大流行した感染症によって、お墓参りができない方も多くいらっしゃると思います。そんな時は、自宅からでも供養は十分にできます。心を落ち着かせて、手を合わせ、ご先祖様に感謝の気持ちを念じましょう。その想いは、必ずご先祖様に伝わります。そしてあなた自身も、ご先祖様の気を感じ、エネルギーチャージしましょう。
私見
昨年は、私自身が体調不良のためお盆の時期にお墓参りができませんでした。今年は、両親とご先祖様をお迎えに行くことができました。数年前に病気で倒れた父親は、少しずつ回復し、現在はゆっくりであれば歩けるようになりました。そんな父親と久しぶりにお墓参りができ、なんだか感慨深く、ちゃんと生きているという事を実感できました。
万象学を学ぶまでは、お墓参りやご先祖様のことなどあまり考えてもみませんでした。当時は、年に一度のお墓参りくらいでしたが、私が体調不良の時に決まって頭に浮かんできたのは、亡くなった祖母でした。なぜ祖母なのかわからなかったのですが、祖母が「大丈夫」と言ってくれているようで、なぜか安心し、元気になっていました。
万象学を学んでからは、「だから祖母がでてきたんだ」と納得がいくようになり、お墓参りやご先祖様に手を合わせることを日常的に行うようになりました。すると、それからは自分の感じ方が少しずつ変わってきたように思います。
特に対人関係において、俯瞰して観察することができるようになった気がします。誰かの心無い一言に傷ついたり、怒ったりという事がなくなったわけではないのですが、それを受けた後の自分の心の回復が早くなったように思います。自分が置かれた状況と、相手の状況を冷静に考察できるようになったのかなと思っています。
両親の祖父母の顔を、特に笑顔を一人ずつ思い出して「ありがとう」と言っています。これは勝手な私の想像ですが、祖父母が天からいつも見守ってくれているという安心感があるので、心が乱されにくくなっているのかもしれません。
いつかは、私も見守る側です。あの世から大切な人を見守れるくらい、この世でしっかり修行しておこうと思います。息子の背中にぶらさがって、お盆は一緒に笑えるように…。