パートナーが幸せに働くとは
これまで私は、「自分らしい働き方とは?」をテーマに、身近で生き生きと働く女性たちにインタビューをしてきました。
その中で、結婚・出産・子育て・介護や、職場環境、体調の変化など、さまざまな出来事をきっかけに、女性たちが働き方を見直していることがわかりました。
では、そんな女性たちの身近にいるパートナーや男性たちは、女性の働き方や家事・育児について、どんなことを考えているのだろう?
そんな疑問から、私は「パートナーの働き方&家事育児」について男性向けアンケートを実施しました。
アンケート結果はこちらからご覧いただけます。

そして今回、アンケートにご協力いただいた男性の中から、取材に応じてくださった方に、回答内容をさらに深掘りしてお話を伺いました。
男性は、女性の働き方や家事・育児について、どんな想いを持っているのか。
一人ひとりのリアルな声を、ぜひ最後までご覧ください。
INTERVIEW A MAN
今回お話を伺ったのは、一般社団法人全日本コンディショニングコーチ協会代表理事の森部昌広さん。
トレーナーなど健康づくりに携わる専門家の育成を行っています。長年の経験から感じる女性の強みや、パートナーの働き方についてお聞きしました。
パートナーには働いてほしい?「本人が望むようにすればいい」
「パートナーには働いてほしいですか?」という質問に、森部さんの回答は「どちらでもいい」とのことでした。専業主婦も一つの仕事だと考えています。
「専業主婦ということ自体、仕事だと思っています。それだけでも大変ですが、外でも働きたい場合はどうぞということですし、家のことにかかりきりになるのであれば、それでもいいと思います」
実際森部さんの奥さまは、お子さんが小さい頃から大学に入るまで家庭や子育てを中心に過ごし、現在はトレーナーとして働いています。
「子どもに負担をかけないように、子どもに専念することを選んで家にいたんだと思います」
家庭を優先することも、外で働くことも、どちらが正解というわけではありません。大切なのは、本人の意思を尊重することだといいます。
家事は家族みんなでできること
森部さんのご家庭では、家事を誰か一人の役割にしていません。
「うちは息子も含めて、みんな料理をするし、掃除や洗濯もやっています。基本的には、自分のことは自分でしましょう、という感じですね」
性別で役割を決めるのではなく、それぞれができることをするのが自然なスタイルです。
「本当はしたくないのにするんだったら、きついじゃないですか。好きでやっているんだったら、それはいいと思います」
それぞれの得意なことや気持ちを大切にしながら、家族でバランスを取っています。
「女性が多い職場の方がうまくいく」と感じる理由
大学教員としての経験に加え、協会運営や事業を通じて多くの女性と関わってきた森部さん。自身の会社の社員も全員女性です。
「管理職に限ったことではなく、女性が多い職場の方がうまくいくと感じます」と話してくれました。その理由に挙げたのが、女性ならではの細やかな気配りやコミュニケーション能力です。
「女性は、相手の家族のことや仕事のこと、これまでの病歴など、いろいろなことを細かく傾聴できる。すごく丁寧なんです」
健康づくりを支える仕事では、体の状態だけでなく、その人の悩みや生活背景にも耳を傾けることが大切です。
森部さんは、さまざまな現場での経験から、こうした細やかな女性の対応に大きな価値を感じています。
女性の細やかさから学ぶこと
森部さんは、奥さまと一緒にトレーナーの仕事をするなかでも、その細やかさや丁寧な対応に学ぶことが多いそうです。
複数のトレーナーが一人のお客様を担当する際、前回の様子や会話をトレーナー間で細かく共有することは、お客様にとっては安心感につながります。
「お客様にまた来たいと思ってもらうためにも、女性の細やかさは必要ですし、そこを学ばなければいけないと思っています」
以前は奥さまからの指摘に衝突することもあったそうですが、冷静に考えると納得することが多いといいます。
「結果的に100戦100敗ですね(笑)」
ご自身が周囲から評価されることがあっても、「95%は妻の影響ですね」と話す森部さん。
仕事でも人生でも、奥さまから大きな影響を受けてきたことが伝わります。
気配りと先回りが、良い関係をつくる
女性が働くことが当たり前になりつつある今、家庭と仕事をどう両立するかは、多くの人にとって身近なテーマです。
森部さんは、女性が働くかどうかについて、本人が望むようにすることが一番だと話します。
ただし、外で働く時間が増えれば、家庭のことに使える時間は変わります。だからこそ、家族のなかでどのように支え合うかを考える必要があります。
「どちらも働いているのであれば、役割分担は物理的に必要になってくると思います。そのときに、何が得意か、どちらがやった方がいいか。それぞれの家庭のなかでバランスを取っていかないといけないですよね」
掃除が得意な人が担当する。料理が好きな人が食事を作る。お互いの状況を見ながら、できることを補い合う。
大切なのは、男性だから、女性だからという理由で役割を決めるのではなく、その家庭に合った方法を見つけることです。
では、パートナーと良い関係を築いていくためには、何が必要なのでしょうか。
森部さんが挙げたのは、「気配り」と「先回り」です。
「テクニックの話ではなく、どれだけ先回りできるか。そういうことなんじゃないかなと思います。気配りですね」
相手の状況を想像し、言われる前にできることを考える。そんな日々の積み重ねが、関係を支えます。
それでも、解決が難しい問題もあります。
「他人は変わらない。仮に変わることがあったらラッキーくらいで。相手が変わらなかったら、自分が変わるしかないんです」
相手を無理に変えようとするのではなく、自分自身の受け止め方や心の余裕を育てていく。
それは、何でも我慢するという意味ではありません。自分が何を受け入れられるのかを考え、自分にできることを見つめ直すということです。
お互いの意思を尊重し、それぞれが自分らしく働く。そして、気配りや対話を通じて支え合う。森部さんのお話からは、誰か一人が我慢するのではなく、お互いを認め合うことの大切さが伝わってきました。
また、森部さんのご家庭では、猫の存在も家族の関係をつなぐ大切な役割を果たしているそうです。
「うちは、いろんな意味で緩衝材として猫がいるんです。家族全員が猫好きなので、猫を中心に家族が回っているということもあるかもしれません」
気配りや先回りに加え、家族みんなが好きなものを共有することも、良い関係を築く秘訣なのかもしれませんね。

